子供が英会話教室に3年も通っているのに、家で英語を話してくれません

これは、本当によく聞く話です。

ということは、子供を英会話教室に通わせるのは無意味なのか?と疑問に思うのも分かります。

単語ならポンとそのモノを見たときに言ってくれるかも? りんごが机の上にあったら「ボクコレ知ってる、apple!」 とか。それにしても文章をいろいろ習ってきているはずなのに、なぜ? と思うでしょう。

では、そもそも、なぜ子供たちは家で英語を話してくれないのでしょうか。話してもらうには、何か方法はあるのでしょうか。この2点について、お話していきましょう。

子供が英語を家で話さない理由

それはズバリ「英語を話す必要性が、家にないから」

例をひとつご紹介しましょう。知り合いのママ友と、親と小学1年生の子供が一緒に居ます。ママ友が1年生のこの子にこう聞きました。

「英語習い始めたんだって、英語で何か言ってみて」

するとその子は、黙ってしまいました。アレ?と横にいるママはちょっと困り顔でこうフォローします。

「ホラ、apple とか pink とか blue とか、習ったでしょう」

でも子供は黙ったまま。

なぜこうなるのかというと、その子供にとって「英語を話す理由がないから」です。英語何か言ってと言われても、なぜ何か言う必要があるのか、子供にも理由が必要なんです。外国人の先生は英語だけでお話しています。その人に伝えるには英語を話さないと通じない…こんな風に、理由が要るんです。子供だからといって軽く見てはいけません。

私自身の経験談もひとつ挙げましょう。私は社会人で英語を一から勉強し始めた一人で、高校まで英語は赤点。高卒で印刷工場に就職したため大学入試の受験勉強もしていません。工場を辞めてからも交流のあった工場のお兄ちゃんたち、そんな私が英語ができるようになったと聞いて、同じようにこう言いました「お前、英語できるようになったんやって? なんか話してみてや」と。

私は言葉を詰まらせました。「何話していいか、分からん…」

冗談で何かさらりと言おうか、また自己紹介とかはできなくもないですけど、なんか不自然で、ちょっと恥ずかしくて。そして、元々全く英語ができなかった私のイメージが濃いこのお兄ちゃんたちに「お前ホンマに英語しゃべれるんかぁ~??笑」とからかわれたのを覚えています。

それが、そっくりそのまま、子供にもあてはまると思うんですよ。

昔、とある年配の著名人の話で、こんなのがありました。

「幼稚園生の孫がインターナショナルスクールに行ってるから、英語話してと聞いてみたんだけど、孫はこう言ったんだ。おじいちゃん英語わからないでしょ、だからボクがおじいちゃんに話してもわからないし、そしたら意味ないでしょ。日本語で話そうよ」と。

もうひとつ、英会話の先生だけが集まる、悩み相談会での出来事のお話もしましょう

「ウチの生徒の保護者から、おたくで英語3年も通わせてるのに、いっこうに家で英語しゃべってくれないんですよね、ウチの息子、と言われた」

その悩みを聞いていた会場30人ほど、全員がウンウンと頷き苦笑い。それほどこの質問がよくあることで、その解決法もいたってシンプルというか、コレしかないでしょ!というものがあるから。

家で子供に英語を話してもらうには

さて、英語を話してもらうには「理由」が必要だということがお分かりいただけたかと思います。ということは理由があれば、子供は英語を話してくれるかもしれませんよね。

ということで理由を作りましょう。どんな理由があるでしょうか。

  • 例えば「お母さん、携帯って英語で何て言うか忘れちゃった、教えて?」
  • 「今度、お父さんが働く会社に外国人のお客さんが来るから、一緒に英語話す練習したいんだ」
  • 「家でも練習したら、もっと上手になるって、英語の先生が言ってたから、お母さんと一緒に練習してみようよ」

どの理由も「家族まるごと」が巻き込まれていることが大切です。子供にだけやらせようとすると、抵抗されてしまいます。なんでボクだけ?となります。お母さんもお父さんも、家で英語を話すのが普通、というような環境があると、自然ですよね。何事も不自然ではいけません。

家でもどこでも、英語に触れる機会があればあるほど、そしてそれが自然であればあるほど、子供の英語力は上がります。

何もペラペラ話せなくてもいいんです。

これを機に、家を「第二の国」にでもして、英語を話すことが普通の状態にしてみるのはいかがでしょうか。